イデコ(ideco)は老後の資金を作るのにとても適した積立制度です。
特に税金面がとても優れており、そのポイントは主に以下の3つになります。
- 運用益に税金が掛からない
- 毎月の積立金額を所得控除の対象にできる
- 退職所得控除もしくは公的年金控除が適用される
以上のようにイデコ(ideco)による積立には税制面で3つの大きなメリットがあります。
さらに日本国では少子高齢化の影響により従来の公的年金のリターンがあまり期待できないことから、政府もイデコや積立NISAによる積立運用を積極的に勧めています。
ちなみに国民年金や厚生年金などのいわゆる公的年金は自分たちよりも上の世代に対して積み立てています。
なので、自分のたちの将来の年金は自分たちより下の世代の納税額に左右されていきます。
それとは違いイデコや積立NISAは主に私的年金と言われ、自分のために積み立てる制度になります。
おそらくですが、老後においてある程度のレベルで満足な年金を受け取ろうと思ったら、イデコなどの私的年金を運用することが今後は必須になっていくと予想されます。
だとすれば始めない理由が無いわけですが、
しかしデメリットもあります。
この記事ではデメリットを踏まえた上でイデコによる長期的な積立を行っていく方法を書いていきます。
目次
イデコは60歳まで引き出すことができない
イデコの最大のデメリットは原則として60歳になるまで積み立てた金額を引き出すことができないところです。
仮に35歳からイデコを始めたとすると、60歳になるまでの25年間は積み立てたお金を引き出すことができないのです。
ちなみにこの25年という期間はとても長いです。
この間に結婚や転職、それに伴う引っ越しなどの様々なライフイベントをこなしていく可能性が高いです。
また場合によっては予期せぬ病や事故などに会ってしまい、急な出費や一時的な収入の低下が起こる可能性もあります。
そうなると、そもそもちゃんと毎月一定の金額を積み立て続けられるのか不安になります。
なので、不測の事態も起こりえると予想し、ある程度の準備をしながら無理のない範囲で積み立てていくことが重要になります。
資金にある程度の余裕を持たせる
長期間運用することが前提となるため、不測の事態に備えてあらかじめ引き落とし口座への資金にはある程度の余裕を持たせておくことが必須となります。
ちなみに私の場合は毎月の掛け金の3カ月分を余分に口座内で確保しています。
とは言っても、ひょっとしたら収入が減って毎月の掛け金を払うのが厳しくなるかもという不安はあると思います。
しかし収入の減少に対してもある程度の対策は可能です。
掛け金の変更は可能
最初に設定したイデコの掛け金を途中で変更することは可能です。
イデコの最小の掛け金は月/5000円からになります。
仮に最初に月/20000円の掛け金を設定し、途中で払うのがきつくなっても、手続きを行うことにより月/5000円まで掛け金を減らすことができます。
しかし年に何度も変更できるわけではなく、 変更のお手続きは、所定の期間で年1回のみのです。
そして注意事項として、掛け金の変更には書面での手続きが必要になるため、完了するまでに多少の時間が掛かります。
なので資金不足による急な変更には、引き落とし日時までに手続きが間に合わない可能性があります。
そういった事を防ぐためにも引き落とし口座の資金にはある程度の余裕が必要になります。
引き落とし口座が不足したら
イデコの引き落とし口座の金額が不足すると、その月の引き落としは行われません。
そして、イデコの引き落としは毎月一回だけなので、その月の引き落とし金額を後から補填することはできないです。
なので、なるべく口座資金が引き落とし金額を下回らないようにする必要があります。
前出ですが私の場合、目安として毎月の掛け金に対して3ヵ月分の余剰資金を引き落とし口座の中で確保しています。 (あまり大きすぎる余剰金額では、その他の投資に対して資金が圧迫されるので)
2~3ヵ月あれば、引き落とし金額の変更には十分に間に合うというスタンスです。
25年運用させるといくらになるのか
イデコを長期間運用を継続させるための対策は分かったけど、仮に60歳まで運用するといくらの資産になるのだろう。
ゴールでどれくらいの金額になるのかは、ある程度はシミュレーションで算出することができます。
仮に掛け金が月に 23000円 で運用利率(利回り)5%を35歳から60歳までの25年間で運用した場合だと・・・
積立元金 6,900,000円
運用益 6,796,723円
合計金額(積立元金+運用益)13,696,723円
単純に貯金で積み立てると25年後には 6,900,000円 になりますが、これに複利(利回り)の力を加えると、 6,796,723円の運用益が加わります。
積立元金に運用益 を足すと倍近い 13,696,723円 になることが予想されます。
ちりが積もれば山となると言いますが、イデコによる長期運用は最終的には凄まじい効果をもたらすことが分かります。
ちなみに 仮に掛け金が月に 23000円 で運用利率(利回り)6%を35歳から60歳までの25年間で運用した場合だと・・・
積立元金 6,900,000円
運用益 8,654,646円
合計金額(積立元金+運用益) 15,554,646円
上記のように運用利率(利回り)が1%違うと、25年間だと最終的な運用益に180万円以上の違いが出てきます。
それだけ長期運用による複利効果はパワフルだということです。
もちろん、上記の運用益を達成するには運用利率が5%もしくは6%になる投資商品を選ぶことが大前提ですが、そういった期待値の高い商品もイデコの中には存在します。