
この記事では本格的に景気が後退しているときのトレードの指針について書いていきます。
一般的に景気の動向は実態経済よりも株式相場の方が影響が早く出るので、雇用統計などの経済指標が好調でも、リセッションの入り口では全体的な株価の急落が頻繁に起こります。
それに釣られて自分が持っている株の値段もどんどん下がっていき、ディスプレイに映っている底なしに下値を探り続けるチャートを見て、ただただ慌てふためいる姿を想像してしまいます。
ちなみにリセッションや景気後退と言われて記憶に新しいのは2009年頃の「リーマンショック」の時ですが、ダウやS&P500などのインデックスがどんどん下値を掘って下がっていきました。
急激に下がったチャートを見て、
これで終わった。
やっと底値に達した。
と思っても、しばらく時間を置いてさらに株価は下がっていきました。
恐怖を感じるレベルの体験なので、あの状態で一体どういったトレードをすべきなのかと悩むところです。
今思い出しても市場があのような状況になるともうお手上げ感があります。
なので今回はそういった景気後退が来たときに慌てないための記事を書いていきます。
目次
景気後退していても変わらないこと
- 決算第一主義のトレード
- イデコと積立NISAによる長期的な積立投資
基本的に決算を第一優先にしたトレード方法は変わりません。
もっと言うと、景気後退時にはより徹底して 決算第一主義でトレードすることが大事になります。
さらには長期的な視点で老後の資金源などに充てている定期投資などは辞めません。
特にイデコや積立NISAの場合は1~2回の景気後退は経験することを織り込んで積立を行っているので、慌てずに淡々と積み立てていくことが大事です。
ちなみに私の場合はイデコと積立NISAの場合は全世界株式と全米株式に定期投資をしています。
どちらの銘柄も世界レベルのリセッションが訪れれば、元本割れすることもあります。
しかし、少なくとも20年後の老後を目標に積み立てているので、景気後退を全く気にせず日々の積立投資を続けていきます。
景気後退していると変わること
- 日々のトレードの買い増し、積み増しを控える
- 資金管理においてキャッシュ(現金)を多めにする
- レバレッジ取引は早めにイグジットする
景気後退により相場が長期的な下落に入っているときには積極的に買い増しや積み増しを行うのは、その銘柄が良い決算を出せなかった時のリスクが大きいと感じます。
なぜなら基本的に株式相場は上昇よりも下落の方がペースが早く、一気に落ちます。
なので普段のようにダメな決算を出した銘柄の売却準備をしていると、売り切る前に大きなダメージを追ってしまう可能性があります。
上記の理由から良い決算を出した銘柄へのアプローチはホールドの継続をして、積極的な資金投入は見送る方がベターだと判断します。
そうすることにより資金をある程度制限してキャッシュを多めに用意していくことが、下落時の相場において冷静な判断を行っていくのに必要だと感じています。
過去のデータを見るとリセッション入りしてから株式相場が上向くまでには最大で2~3年要する場合もあります。
そうなるとリセッションにより儲けにくくなっている株式相場に対しては、のめり込まずに適切な距離を保っておくことも長期的な視点で重要だと判断します。
最後に重要なこととしてリセッション時に株価などが急激に下がる大きな要因の一つがレバレッジ取引によるポジションの追証(マージンコール)です。
レバレッジ取引とは借金をすることにより、自分の持っている資金以上の取引を行うことができる方法です。
とてもハイリスク・ハイリターンな取引方法で、利益にも損失にもレバレッジが掛かります。
相場が自分の思惑と同じ方向に動いている時は大きなリターンを得ることができますが、逆方向に動いている場合は損失も普段より拡大してしまいます。
なので損失が出ている場合は資金が底を尽きてしまい、ポジションを維持するためには追加の資金を入金する必要が出てきます。
この追加資金の請求を「追証」と言います。
基本的にはこの追証が発生する前にポジションを小さくするか、完全に手仕舞う(クローズ)するのがおすすめです。
なぜなら仮に追加の資金を入れてポジションを維持しても、そこで損失が止まる保証はなくもっと下がっていく可能性があるからです。
株などに投資をするのに一番必要なのは「資金」なので、より大きな資金を失う可能性が高い取引に関しては早くクローズすることが大事となります。
以下がこの章のまとめになります。
- 決算が良い銘柄はホールドを継続
- 同時にキャッシュも多めに用意していく
- 式相場が上向くまでには最大で2~3年要する場合もある
- 逆風が吹いている相場環境ではあまりのめり込まずに、適切な距離を保つ
以下は株式相場に対する注意点とその後のアクションに対して書いていきます。
ポジションを全てクローズするのはナンセンス
仮にいま景気後退が起こっているとしてもあらゆる持ち株をクローズしてしまうのは勿体ないです。
もちろん、ポートフォリオにあるすべての銘柄の決算が悪かったというのであれば売却する以外にはありません。
しかし好決算を出している銘柄まで恐怖に駆られて全て売却してしまうのはナンセンスだと感じます。
実際に好決算を出している銘柄においてはリセッションが起こっている最中においても、高いパフォーマンスを発揮できることが多いです。
そういった優秀な銘柄を売ってしまうのはやはり勿体ないです。
ただし、時には相場に釣られて下がってしまうこともあるので追加の買い増しなどはリセッション中は見送るのがおすすめです。
さらには全てをクローズしてしまうと完全に株式相場との関係を断ってしまうため、次に来る復活のサイクルに乗り遅れてしまうこともあります。
実は相場サイクルの切り替わり時は株価が割安になっており、とてもチャンスが多く、全体で見て一番大きな利幅を取れる時期でもあります。
そういった相場サイクルの切り替わり時における機会損失も非常に残念なので、ある程度の距離は置きつつも興味性の糸は切らさないのが長期的に見て肝心なこととなります。
リセッション時の注意点のまとめ
- 良い決算を出している銘柄まで売却しない
- 完全に 株式相場との関係を断ってしまうのは勿体ない
- いつか来る相場サイクルの切り替わりは大きな投資チャンス
リセッション後期はバリュー株の仕込みどころ
リセッションの後期においては普段は触れることがない高配当なバリュー株の仕込みどころでもあります。
高配当な銘柄の企業ということは、それだけ成長率に陰りが見えており、成長株に比べるとキャピタルゲインが期待できません。
しかしリセッションに入って株価が急激に下がった時には、キャピタルゲインよりも配当収入(インカムゲイン)の方が大きな武器となる場合も多いです。
なのでそういった高配当銘柄がかなり割安になった時期を見計らって仕込むのは良い判断になる可能性が高いです。
次の市場復活に向けて、休息と準備を行う
未来永久に上昇し続ける相場が無いように、ずっと無期限に下落し続ける相場もありません。
いざ景気後退したとき、株式などに投資し続けるにはキツイ環境になります。
でも明けない夜がないようにいつかはまた株式にも上昇局面になるときが来ます。
ならば景気後退が完全に終わって、相場が底をついたときにまた投資を始めれば良いのではと考える人は多いです。
もちろん景気後退が終わり、株式相場が新たなサイクルに入る時期を知ることができれば、その時に投資を開始するのがベストです。
しかしながらいつ景気後退が終わるのかを分かる人はまずいません。
相場の底というのも後になって初めて分かることであり、その当時は誰にも分からないです。
なので普段からの準備が必要になります。
重要なことはその時がくるまでにしっかりとメンタルの休養を取り、キャッシュを用意し、いつ新たなサイクルが来ても相場の波に乗っていける万全な状態を作っておくことです。
まとめ
- 相場サイクルの切り替わりに向けて、準備を行う
- キャッシュを貯める(ポジションを軽くする)
- メンタルのリフレッシュを行う(好きなことをする、相場と距離を保つ)
- 高配当銘柄の購入を検討するのもあり