【米国株式】2021年6月(6/1~6/11)の振り返りと展望

この記事では長期金利の推移や経済指標、チャートなどを基に米国経済と株式の状況を月の前後半で振り返り、今後の展望について記載していきたいと思います。

指標結果の早見表

日付指標・イベント前回予想結果
2021/06/01製造業PMI61.561.562.1📈
ISM製造業景気指数60.760.961.2📈
2021/06/03ISM非製造業景気指数62.763.264.0📈
サービス業PMI70.170.170.4📈
2021/06/04非農業部門雇用者数(NFP)27.8万人67.5万人55.9万人📉
失業率6.1%5.9%5.8%📈
2021/06/10CPI(消費者物価指数)4.2%4.7%5.0%📈
コア・CPI(食品・エネルギー除く)3.0%3.5%3.8%📈
①新規失業保険申請件数(前週比)6/340.6万人38.7万人38.5万人📉
②新規失業保険申請件数(前週比)6/1038.5万人37.0万人37.6万人📈

長期金利(米国10年債利回り)の推移📉

引用元:FRED ecnomic data 【米国10年債利回りの年間チャート】

前週までは1.55~17%の間で推移していましたが、アメリカのCPI(消費者物価指数)の発表を直前に控えてレンジを下抜けしました。(現在は1.4%台で推移しています。)

今回の長期金利の下落が一時的なものかは分かりませんが、チャート的には1.2%あたりが一つのサポートになりそうです。

引用元:FRED ecnomic data 【米国10年債利回りの長期チャート】

直近のデータの中では高値圏で推移している長期金利も長期的な視点だとまだ歴史的な低水準の中にある状態です。

ここから1981年9月(高値:15.84%)から始まった40年近く長期に渡るダウントレンドを脱して上昇に転じていくのかに注目が集まっています。

雇用統計【NFP(non-farm payroll employment)の結果📉

2021年6月4日に発表された5月の非農業部門における新規雇用者数は55.9万人と予想の67.5万人をやや下回りました。

ちなみに前回は27.8万人でした。

2ヵ月連続で予想を下回った理由の一つとしては、前回と同じで米国の失業保険の期限が今年の9月になっていることが挙げられます。

それにより9月までは雇用されて働くよりも失業したままの状態を望んでいる人が多く、それによりアナリストの予想も先が読みにくい状況になっているのではないかと思われます。

また中身を確認してみるとレジャー・ホスピタリティーが29万2000人増となっており、加えて教育やヘルスケアが就業者数の伸びをけん引した形となりました。

失業率(unemployment rate)の結果📈

6月4日に発表された失業率の結果は5.8%となり予想の5.9%を上回る結果となりました。(パンデミック前は3.5%)

項目別失業率の表

項目(年齢・人種・性別)失業率(%)
10代9.6
白人5.1
ヒスパニック7.3
黒人9.1
アジア5.5
成人男性5.9
成人女性5.4

全体の失業率が5.8%と高止まりしていますが、ヒスパニックと黒人においても依然としてさらに高い失業率が維持された状態です。

新規失業保険申請件数の結果

6/3に発表された新規失業保険申請件数は予想が38.7万人に対して実績は38.5万人となりました。

ちなみに前回の申請件数は40.6万人でした。

6/10に発表された新規失業保険申請件数は予想が37.0万人に対して実績は37.6万人となりました。

ちなみに前回の申請件数は38.5万人でした。

CPI(消費者物価指数)の結果📈

6月10日に5月のCPI(Consumer Price Index)が発表されました。

予想 4.7% に対して結果5.0 % となり予想を上回りました。

前回は 4.2% でした。

特にエネルギーセクターは12か月間で28.5%の上昇になりました。

内訳の一部だとエネルギー商品が54.5%、ガソリンが56.2%、Fuel oilが50.8%と大きく上昇しました。

コア・CPI(食品・エネルギーを除く)の結果

コア・CPI(食品・エネルギーを除く)の数値は、

予想 3.5% に対して結果3.8 % となり予想を上回りました。

前回は 3.0% でした。

分野別のCPIを確認してみると中古車・中古トラックは29.7%、輸送サービスが11.2%と大きく上昇しました。

中古車・中古トラックの値段が上がっている主な原因は車載向け半導体の不足が大きいと言われており、しばらく高止まりする可能性があります。

ISM製造業景気指数の結果📈

6月1日に発表されたISM製造業景気指数は、予想 60.9に対して結果 61.2 となり予想を上回る数値になりました。

ちなみに前回は60.7でした。

ISM非製造業景気指数の結果📈

6月3日に発表されたISM非製造業景気指数は、予想 63.2に対して結果 64.0 となり予想を上回る数値になりました。

ちなみに前回は63.7でした。

製造業PMIの結果の結果📈

6月1日に発表された製造業PMIは、予想 61.5に対して結果 62.1 となり予想を上回る数値になりました。

ちなみに前回は61.5でした。

サービス業PMIの結果📈

6月3日に発表されたサービス業PMIは、予想 70.1に対して結果 70.4 となり予想を上回る数値になりました。

ちなみに前回は70.1でした。

主要3指数(SP500、ナスダック100、ダウ平均)の推移

引用元:TradingView.com

SP500の年間チャートになります。

50日移動平均線に支えられ、底堅く推移していることが伺えます。

また史上最高値を更新しつつあることから、さらなる上昇の可能性が高い状況です。

引用元:TradingView.com

上記はナスダック100の年間チャートになります。

前週までは50日と200日移動平均線間の値動きとなっておりましたが、50日移動平均線を明確に上抜けしました。

これにより史上最高値(14073.48)であるを目指す展開になっています。

何かと head wind (向かい風)な状況が続いてたグロース株。

しかし長期金利の落ち着きはグロース株にとっては following wind(追い風)となるので高値更新にも期待がかかります。

引用元:TradingView.com

上記はダウ平均(DJI)の年間チャートになります。

直近ではバリュー株よりグロース株がアウトパフォームする展開が続いた為に上値が重くなっています。

しかし長期では50日移動平均線に支えられ、底堅く推移していることが伺えます。

SP500は史上最高値を更新し上昇モード。

ダウ平均の推移は50日移動平均線を割り込むことなく底堅く推移しており、ナスダック100も下値を切り上げながら史上最高値に迫ってきています。

今後の展望

前回に続きCPI・コアCPIで予想を上回る数値が出ましたが、市場は既に織り込んでいた感があり長期金利の上昇も限定的でした。(その後、長期金利は大きく下落)

雇用統計の数値は予想を下回りましたが、失業保険給付金との兼ね合いもあり今後は上昇していくことが予想されます。

また大きな流れとしてアメリカの経済回復は進展しているものの、サプライチェーンのボトルネックにより一部の製品・サービスでインフレが発生したり、手厚い失業保険給付金の存在により労働市場では人手不足が起こっている状況です。

しかし上記のような環境でも、今のところ市場は今回のCPI上昇も雇用統計の下振れも一時的なものとしてナーバスになることなく静観している状況であると感じます。

投資家の関心はテーパリングの開始時期に移りつつある状況ですが、今後も経済指標の推移を注意深く観察していきたいと思います。

ちなみに相場サイクルは金融相場の中にあります。

一時的な下落はあれど、まだ強気継続と判断しています。

米国株式の主要3指数も長期では底堅く推移しています。

また長期金利が下落おり、今後はグロース株がバリュー株をアウトパフォームしていく展開が多くなるのではないかと思われます。

上記の理由から資産(株式)のポートフォリオは分散・バランスを重視した形を継続します。