【米国株式】2021年8月前半(8/1~8/15)の振り返りと展望

この記事では長期金利の推移や経済指標、チャートなどを基に米国経済と株式の状況を月の前後半で振り返り、今後の展望について記載していきたいと思います。

指標結果の早見表

日付指標・イベント前回予想結果
2021/08/02製造業PMI63.163.163.4 📈
ISM製造業景気指数60.660.959.5📉
2021/08/04ISM非製造業景気指数60.160.564.1 📈
サービス業PMI59.859.859.9 📈
2021/08//04ADP雇用者数69.2万人69.5万人33.0万人 📉
2021/08//05 貿易収支-712.0億ドル -742.0億ドル -757.0億ドル 📉
2021/08//06非農業部門雇用者数(NFP)85.0万人87.0万人94.3万人 📈
失業率5.9%5.7%5.4%📉
2021/08/11CPI(消費者物価指数)5.4%5.3%5.4%📈
コア・CPI(食品・エネルギー除く)4.5%4.3%4.3%
①新規失業保険申請件数(前週比)8/540.0万人38.3万人38.5万人📈
②新規失業保険申請件数(前週比)8/1238.5万人37.5万人37.5万人

長期金利(米国10年債利回り)の推移📉

引用元:FRED ecnomic data 【米国10年債利回りの3ヵ月間チャート】

8月4日に1.1%まで下落した長期金利ですが、その後はリバウンドして1.36%まで上昇しました。(現在は1.28%で推移しています。)

ここから上昇に転じるとすれば1.5%あたりが一つの目安となりそうです。

引用元:FRED ecnomic data 【米国10年債利回りの長期チャート】

長期金利においては、長期的な視点だとまだ歴史的な低水準の中にある状態です。

ここから1981年9月(高値:15.84%)から始まった40年近く長期に渡るダウントレンドを脱して上昇に転じていくのかに注目が集まっています。

雇用統計【NFP(non-farm payroll employment)の結果 📈

2021年8月6日に発表された7月の非農業部門における新規雇用者数は94.3万人と予想の87.0万人を上回りました。

ちなみに前回は85.0万人でした。

2ヵ月連続で予想を超える数値となりました。

直近のADP雇用者数の数値は弱かったですが、雇用統計の数字は強いものとなりました。

中身を確認してみるとレジャーとホスピタリティーの雇用が38万人増となり今回の雇用増をけん引しています。

加えてフードサービスは25万3000人、宿泊施設で7万4000人の雇用増となりました。

また地方自治体の教育では、22万1,000人、私立の教育で4万人の雇用増加となりました。

失業率(unemployment rate)の結果 📉

8月6日に発表された失業率は予想5.7%に対して、結果は5.4%となり予想を上回る数値の改善となりました。

前回は5.9%でした。(パンデミック前は3.5%)

項目別失業率の表

項目(年齢・人種・性別)失業率 %(今回)失業率 %(前回)
10代9.6%9.9
白人4.8%5.2
ヒスパニック6.6%7.4
黒人8.2%9.2
アジア5.3%5.8
成人男性5.4%5.9
成人女性5.0%5.5

今回は全体の失業率が5.4%と5.9%から大きく改善し、中でもヒスパニックと黒人層において高い改善が見られました。

新規失業保険申請件数の結果

8/5に発表された新規失業保険申請件数は予想が38.3万人に対して実績は38.5万人となりました。

ちなみに前回の申請件数は40.0万人でした。

8/12に発表された新規失業保険申請件数は予想が37.5万人に対して実績は37.6万人となりました。

ちなみに前回の申請件数は38.5万人でした。

CPI(消費者物価指数)の結果📈

8月11日に7月のCPI(Consumer Price Index)が発表されました。

予想 5.3% に対して結果5.4 % となり予想を上回りました。

前回は 5.4% でした。

引用元:U.S.BUREAU OF LABOR STATISTICS

( )・・・前回数値

エネルギーセクターは過去12ヶ月間で23.8%の上昇となりました。(24.5%)

内訳の一部としてエネルギー商品は過去12ヶ月間で41.2%(44.2%)、Fuel oilが39.1%(44.5%)、ガソリンが41.8%(45.1%)の上昇となりました。

食品セクターは過去12ヶ月間で3.4%(2.4%)の上昇となりました。

内訳の一部として、過去12ヶ月間でFood away from homeが4.6%(4.2%)、フルサービスが4.3%(4.1%)、リミテッドサービスが6.6%(6.2%)の上昇となりました。

コア・CPI(食品・エネルギーを除く)の結果

コア・CPI(食品・エネルギーを除く)の数値は、

予想 4.3% に対して結果 4.3% となり予想に一致しました。

前回は 4.5% でした。

分野別のCPIを確認してみると過去12ヶ月間で中古車・中古トラックは41.7%(45.2%)、輸送サービスが6.4%(10.4%)の上昇となり、相変わらずまだ高いものの前回の上昇率と比べると鈍化しました。

ISM製造業景気指数の結果📉

8月2日に発表されたISM製造業景気指数は、予想 60.9 に対して結果 59.5 となり予想を下回る数値になりました。

ちなみに前回は60.6でした。

ISM非製造業景気指数の結果 📈

8月4日に発表されたISM非製造業景気指数は、予想 60.5 に対して結果 64.1 となり予想を上回る数値になりました。

ちなみに前回は 60.1 でした。

製造業PMIの結果の結果 📈

8月2日に発表された製造業PMIは、予想 63.1 に対して結果 63.4 となり予想をやや上回る数値になりました。

ちなみに前回は63.1 でした。

サービス業PMIの結果 📈

8月4日に発表されたサービス業PMIは、予想 59.8 に対して結果 59.9 となり予想をやや上回る数値になりました。

ちなみに前回は 59.8 でした。

主要3指数(SP500、ナスダック100、ダウ平均)の推移

引用元:TradingView.com

SP500の年間チャートになります。

長らく50日移動平均線に支えられ、底堅く推移していることが伺えます。

今週も史上最高値を更新し、ズンズンと上昇している状況です。

8月相場ということもあり、出来高は徐々に減少傾向にあります。

引用元:TradingView.com

上記はナスダック100の年間チャートになります。

こちらも順調に上昇してきましたが、直近(8/6)の高値をブレイクできるか注目の局面となっています。

おそらくこのまま上にブレイクして、さらに値を伸ばしていくのではないかと思われます。

ナスダック100 は出来高のボラがかなり激しいですが、直近は落ち着ついており、やや減少傾向にあります。

引用元:TradingView.com

上記はダウ平均(DJI)の年間チャートになります。

こちらもSP500同様に高値を更新し、そこからはズンズンと上昇しています。

8月相場ということもあり、出来高は徐々に減少傾向にあります。

主要3指数とラッセル2000との推移比較

引用元:TradingView.com

オレンジ:SP500  グリーン:NASDAQ100  イエロー:ダウ平均  パープル(紫):ラッセル2000

主要3指数は順調に高値を更新しているのですが、ラッセル2000はまだ2021年3月の高値を超えることができない状況です。

しかし7月19日を押し目として上昇してきているのでこのまま高値を更新するような形になるか注目です。

ちなみにラッセル2000は、米国の代表的な小型株指数で、ニューヨーク証券取引所やナスダックなどに上場している銘柄のうち、時価総額が上位1001位から3000位までの銘柄の時価総額加重平均型の株価指数です。

炭鉱のカナリアと呼ばれており、 景気後退期には先行して下落し、景気回復期には先行して上昇する傾向があります。

今後の展望

前回に続きCPIは予想を上回りました。加えてコアCPIは予想に一致しましたが、ともに前回の数値を超えずピークアウト感が出てきました。

その後の雇用統計(NFP)は予想を上回る強い数字となりました。

特に黒人とヒスパニックの雇用が改善し始めてきたのは大きな兆候と思われます。

その内容を受けて長期金利も上昇しました。

ちなみにFRBは引き続きインフレ指数の上振れは一時的という姿勢を崩していません。

しかし、テーパリングの開始時期に対する言及をそろそろ発するシグナルが出始めていることから9月あたりには何かの発表がありそうです。

ISM製造業景気指数は予想を下回りましたが、ISM非製造業景気指数は大きく予想を上回りました。

サービス業などは活発ですが、人手が足りずに賃金上昇が起こっている状況です。

これらの状況を鑑みても、そろそろテーパリングに対する準備をしていく時期なのかもしれません。

【新型コロナに対する対応と進捗】

いまアメリカのみならず世界では感染力が強いデルタ変異種の蔓延により、新規感染者数が再び増大しています。

加えてアメリカ国内のワクチン接種率の伸びが鈍化していることから、州や企業でワクチン接種の義務化が加速しています。

ちなみに2021年8月13日の米国において、

  • ワクチンを1回接種した人は60.0%
  • ワクチンを2回接種した人は51.1%

となっています。

目標としていた接種率70%の達成するためにも接種の義務化が避けられない状況となっています。

さらに効果的なワクチンの普及という意味では新興国や中国の状況も気になります。

特に中国は大多数の国民がmRNAなどの効果的なワクチンを接種していない可能性が高いことから、

今後はデルタ株の蔓延によりロックダウンを行う都市や地域が出てくるのではないかと懸念されています。

アメリカ株式指数の動きは非常に底堅く堅調に推移しています。

しかしここまで大きな調整もなく一気に上昇してきたので、一旦の天井も近い可能性があり、トレードも上値を追うのは避けています。

ここは過度なリスクは取らずに、引き続きバランスを重視したポートフォリオを継続していこうと思います。